ステキな話

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きらめく雪の渦の中、ひざをついて手で顔を覆い、ただただ涙を流していました     男の子は少しの間涙を流すお母さんを見ていました     「サンタさん……」     男の子は雪の渦の中から飛び出し、右手を掲げてグルグル振り回しました     「やい!サンタさん!!お母さんを泣かせるな!!!」     男の子はどこを見て言っているのかは分かりませんが、時に左や右、後ろを見ながら声を上げました     「お母さんはすごい泣き虫なんだぞ!!やい!!」     瞬間、お母さんは今にもサンタを追いかけて飛び上がろうとする男の子を背中から両手で抱きました     男の子は叫ぶのをパタリと止めました。振り上げた腕がゆっくりとお母さんの腕の中に入っていきました
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