2542人が本棚に入れています
本棚に追加
電話をきった音が聞こえ、すみれの母も電話をきった。
「もう、あの子は…これで999人目よ。あっ、そうだわ♪ねぇ執事長?」
近くにいた60代くらい年輩の執事は彼女に呼ばれたので近づいた。
「奥様どうなさいました?」
「あなた子供がいらしたわよね?」
「えぇ、私と同じ望月家で執事をしています。」
それを聞いて彼女は顔を曇らせた。
「えっ、それならうちには来れないわね。」
声の語尾が下がり何かを察したのか慌てて執事長は口を開いた。
「あっ、けれど奥様。息子は確か今日で解雇されるはずです。」
それを聞いて彼女はパッと明るい表情に変わった。
「あら、それは良かったわ。それなら今日いつでもいいので呼んでくださる?すみれの専属執事にしようと思うの!」
「はい、奥様。息子に、そう伝えておきましょう。」
周りにいたメイドや執事は2人の会話を聞き皆
またか…と呆れため息をついた。
そして、まだ会ったことのない執事長の息子に憐れみの気持ちを持った。
彼は何日もつかと…。
最初のコメントを投稿しよう!