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「すみれちゃん。この人が、あなたの新しい専属の執事ですよ。」
お母様に新しい執事を頼んだその日の夜、一緒に夕食を食べている時だった。
「えっ…。」
いつもにしては用意するのが早くない?まぁ、いいわ。
そう思い、お母様の隣に立っている新しい執事とやらを見てみた。
年は20代前半くらいかしら?
サラサラの黒髪。
長いまつ毛。
形のいい唇。
細いあご。
いわゆる美形という奴だ。
「ふーん。お名前はなんて言うの?」
「氷室怜です。よろしくお願いします。」
ニコリとも笑いもせず淡々と自己紹介を述べる新しい執事。
無愛想な奴。
これが私の第1印象。
こんな奴だと、3日で自分から辞めるか…
私が飽きてクビにするわね…きっと。
この時は、そう私は思ってた。
そう思っていたのに…
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