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「きゃぁぁぁあ!」
雛は机から離れ
しゃがみ込み叫んだ。
給食の時間、
泣き叫ぶ雛を見て
ケタケタ笑う男子。
「おい雛ショックでかくね?
まじウケんだけど!
今野やりすぎだから!
あはははは!成功~」
雛の机の周りに群がる
クラスメート達。
「ちょっと‥やりすぎ‥」
いつも雛を虐めていた女子も
男子の行動に驚いた。
雛に用意された給食に
虫。
「‥うわぁぁぁぁ嫌ぁぁ」
雛は教室を飛び出し
当ても無く走った。
気が付いた時には
夕方、日が沈み掛けていた。
「あたし、虐められてんだよ」
夕日に少し話し掛ける。
「上履き隠されるのなんて
毎日みたいなもんだし、
体育の時なんてさ
体操着ごみ箱のなか(笑)
今日なんてね、あたし
給食に虫混ぜられてて
本当悲惨だったんだよ」
夕日が沈み切るまで雛は
永遠と話し掛けた。
幾ら涙を流しても
幾ら弱音を吐いても
空は雛の話を大きく
受け止めてくれる
そんな気がした。
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