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アスクが出ると、テーブルの上にはいつの間にか食事が用意されていた。どれも豪華で、一般の人々が口にできない程高価な品ばかりだ。出たのを確認すると、ヌダもシャワールームへ入った。
ヌダが出ると、アスクがテーブルの上の料理を分けていた。だが、その分け方がどこかおかしい
ヌダはテーブルに近寄ると直ぐに理解した。獣人特有の優れた嗅覚のおかげである。そしてヌダが気付いた事を察したアスクが口を開く。
「分けてあるのが毒入りだ、他は食べても問題無い、うまいぞ」
そう言って何の躊躇いも無く、料理を口に運んでいる。
確かに、ヌダには分けた以外の料理に毒が入っていない事はすぐに解った。だが、いくら大丈夫だと言っても毒が入っていた料理を食べると言うのは普通抵抗があるものだが。
「運んできたやつを捕らえるか?」
ヌダの問いにアスクは食べる手を止め。
「いや、運んできた者は何も知らないだろう、気にするな」
「……そうか」
――この依頼、かなり奥が深そうだ。
アスクはそんな事を思いながら、料理を口に運ぶ。
ヌダはそんな様子を見ながら、微かに微笑み
「……楽しめそうだな……」
呟いた。
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