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じいちゃんの墓をあとにした俺はあてもなく車を走らせていた。
じいちゃんの墓参りをしたことにより若干気が楽になったとはいえ、あの部屋にまっすぐ帰ることは出来なかった。
自分で情けなくなるほど俺は見えない何かにビビッていた、原因がわかればまだいいのだが全然身におぼえがない。
結局パチンコ行ってラーメン食って自分の駐車場に戻ってきてしまった。
だが、さすがに部屋には戻れない、今夜は車で寝ようか悩んでいた、朝ダンプの中で見た夢を思いだすと寝るのも怖い。
こんな日々が一体いつまで続くのか。さすがに毎日続いたら俺が壊れてしまいそうだ。
悩んでも何も解決しないと思い勇気をだして部屋に行ってみた。
玄関を開け中に入った、自分の部屋なのにすごくドキドキする。この部屋にまだ何かいるのか、いないのか、見えないからわかるわけもない。もう見たくもないが。
「あっ!そうだ!」
俺はひらめいた。
犬が吠えるか試してみようと考えたのだ。
俺は窓を開け体を乗りだしてみた。
(たのむ!吠えてくれ!!)
犬小屋の方からゴソゴソ音がした直後に犬が狂ったように吠えてきた。
犬に吠えられてこんなに嬉しく思ったことはない。
今夜は部屋で寝てみようかかと思った。
いざフトンに入ると目を閉じるのが怖い、この数日のことを思いだすからだ。
いい年して電気を付けっぱなしで寝ることにした。
その夜は何も起きなかった。
結局その後も心霊現象は起きていない。
じいちゃんの墓参りをしたのが良かったのか?
いや、あまり関係ないような気がする。
俺が見たのはおそらく子供だったと思う、風呂場で見た影も子供ぐらいだと思う。
なぜ子供?俺は結婚していない、女性と付き合い妊娠させた記憶もない、事故などもない、今考えても謎だ。
昔テレビで「20歳までに幽霊などを見なければ見ることはないでしょう」って言ったのを聞いたことがあるが俺は29歳で体験した。
これを読んで「コイツ話作ってんじゃねー?」って思ってくれても結構です、俺も体験する前はそう思うと思います。でも俺は体験した、幽霊など今まで見たことないこの俺が。
今回のことで誰でも見る可能性があると俺は思った。また俺かもしれないし、この話を読んでくれたあなたかもしれません。
しつこいようですがこれは実話です。
この話を最後まで読んでいただきありがとうございました。
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