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200X年7月1日午後8時30分 東京都港区赤坂檜町付近 防衛省中央指揮所
防衛省職員が北朝鮮の軍港が写った衛星写真を指差しながら統幕議長に説明していた。
防衛省職員B
「見て下さい。北朝鮮の軍港の衛星写真です」
防衛省職員A
「昨日より輸送船の数が増えています」
統幕議長は腕を組みながら答えた。
統幕議長
「君はどう思う。始まると思うかね?」
防衛庁職員C
「現時点ではなんとも言えませんが、恐らく始まるでしょう。それも三日以内に」
統幕議長
「なにを根拠に?」
統幕議長に説明していた防衛省職員A・Bが一斉に防衛省職員Cを見た。
防衛省職員C
「昨日よりこれだけ増えてます。このペースで増え続ければ始められるだけの数になります」
昨日と今日の北朝鮮の軍港の写真を手に取りながら説明した。
納得したのか反論する者はだれもいなかった。
200X年7月2日午前11時 北海道中央演習場内特別訓練場 陸上自衛隊北部方面隊第二師団 島田隊
望月と鈴原がギリースーツをまとい伏せている。
双眼鏡を持った鈴原が報告した。
鈴原
「敵兵発見!!12時方向!!」
望月が対人狙撃銃を持ち弾を装填する。
望月
「距離」
鈴原がメモを取り出した。メモには距離がびっしり書いてある。え………と570m」
望月がスコープを覗く。
望月
「目標確認。風は南西からの微風」
望月はスコープ調整ネジを回した。
望月
「撃つぞ!!」
ドゥ!!
人の形をした標的は頭の部分にひとつ穴が開き、倒れた。
鈴原
「命中!!」
望月
「よし、帰るか」
二人はギリースーツを脱ぎ、帰路についた。
200X年7月2日午後11時30分 東京都港区赤坂檜町付近 防衛省中央指揮所
統幕議長が指揮所に入るとものすごく慌ただしかった。紙はそこらじゅうにちらばり、コーヒーはこぼれ、ゲームセンターに負けない程うるさかった。
統幕議長
「何事だ!!」
一人駆け寄ってきた。
防衛省職員A
「北の大輸送船団が今日の0900時に出港しました行き先は北海道と思われます」
統幕議長は上着を脱ぎイスにかけた。
統幕議長
「なんてこった……」
防衛省職員B
「北の大輸送船団は日本領海を侵犯!!真直ぐ北海道に向かってます!!」
統幕議長
「海上自衛隊に連絡、日本海にいる艦は急いで戦闘準備だ!!」
防衛省職員C
「わかりました!!」
統幕議長
「それから、陸上自衛隊の北部方面隊にも連絡を!!あと、東部方面隊の各中隊から1個小隊を援軍として北海道に向かわせろ!!」
防衛省職員A
「わかりました!!」
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