9人が本棚に入れています
本棚に追加
「なん…だ、今の声…」
空を仰いでみたが無論誰かいる訳はなく、声の主を探し辺りを見回すも人一人居なかった。
ふと何かを感じて自分の手を見ると、手紙が炎をあげて燃えた。
「…ぅわっつ!?」
声を出すと共に手紙を放り投げる。その手紙は地に落ちる前に、小さな爆発をして煙をあげた。
直ぐに煙は晴れ、手紙の代わりにすすと羽の生えた赤い球体がいた。
「………!?」
突如現れた地球外生命体―孔弾の勝手な憶測だが―に、声を出すことも出来なかった。
「…聖孔弾様、ですね?」
「…はっはい……?」
さらに喋ったことで、孔弾は完全に腰が抜けた様だ。
「゙第一課題゙は直ぐに始まるので準備しておいてください。」
「…だ、第一課題…いや…その前に、お前何者だ…」
孔弾は震えた指で球体を指差す。目はすわっていて、驚きを隠しきれない様だ。
「申し遅れました…私の名前はナビNo.14、マスター…主催者様に仕えるロボットです。因みに私のナンバーは孔弾様の参加番号です。覚えておいてください」
簡潔な答えに孔弾は納得するが、いまいち状況が把握できていないようで、立ち上がると
「…つまり、お前はこの戦いに関係あるんだな」
と初歩的な質問をした。
「はい」
そういうとNo.14はにこりと笑った。
「暗くなってまいりました。ささ、早く帰りましょう。」
「ああ…ってお前も着いてくるのか!?」
「勿論ですとも!私は貴方の参加証みたいなものですから。心配しなくても私、参加者以外の方には見えないよう造られております。」
「ふ、ふうむ…」
そうなのか、と孔弾は心で思い自分の家路を急いだ。No.14と共に。
最初のコメントを投稿しよう!