9人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
何処にでもいそうな、普通の大学生。黒い前髪は均等に整っている。
手には小さな鞄を持っていて、これからどこかへ行くようだ。
扉についている郵便受けに手をのばす。開けると電気料金の請求書が一枚だけ入っていた。
「今月もギリギリか…」
郵便受けを閉めた。
扉を開けようとしたとき、携帯電話を忘れてたことを思い出し部屋に戻る。
雑誌で散らかった部屋を無造作に探す。それは直ぐに見つかり再び部屋を出ようとする。
しかしまた郵便受けに目が行く。
先程紙切れ一枚取ったはずだが、中に白いものが見えた。
「あれ…なんだ、これ」
手に取る。
白い和紙の封筒だった。
不審に思いながらも、それを見ずに鞄に入れて扉をあける。
最初のコメントを投稿しよう!