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「過激に攻めるぜ」
孔弾は銃口を画面に向ける。
しばらくすると、敵と思しき動物や人間のゾンビが現れた。幸喜もそれに銃口を向ける。
画面に標準はなく、狙い撃つのは難しいようだ。
バン
孔弾が一発撃った。
心臓部分を撃ち抜き、相手は血を出して倒れる。
次々と、相手の心臓又は頭のみを狙い撃っていった。
「やっぱ孔弾すげーな!」
幸喜はというと、一体に2、3発のペースで倒していく。これでもかなり上手いほうらしい。
後ろの列から歓声が聞こえる。二人は都内有数の名プレーヤーであり、孔弾に至っては日本一のスコアをとったことがある。
「ギャラリー集まると緊張するな」
「お前とやるといつものことだから慣れた♪」
相手全員を倒し終わると、残り時間と残り弾数でスコアが決まる。
「ひゅーっ!250万台のったぜ!」
後ろから野次が飛ぶ。凄いとか、もう一回とか、そういったものだ。
二人はもう一戦やったあと、満足したかのようにその場を後にする。
「腹減ったー、もう12時か…何か食いに行こうぜ」
「ああ、そうだな…」
ゲームコーナーを出る途中、聞き慣れない曲が聞こえるなか、人だかりができていた。
孔弾はギャラリーだろうと思い、そのまま歩く。それでも気になり横から見てみると、少し長い髪の少年だった。その腕は素早く動いている。
「凄いな…あれ」
孔弾が話しかけるなか、幸喜はエレベーターのボタンを押す。
「ん?何が?」
「いや…なんでもない」
ポン
高い音と共に扉が左右に開いた。
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