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「ね…願いを叶える!?」
孔弾にとって―いや、誰にとってもそうだろう、その一行が魅力的に見えた。
しかし魅力的すぎるからこそ、怪しく感じる。
「戦うって…何で戦うんだよ…でも…願いが叶う―」
孔弾には、どうしても叶えたい願いがある。
それは一人上京してきたことに関係した―
『俺は絶対に嫌だ!自分の力で…自分の道を決める!』
あの日、親に言った言葉。もはや家業である医者という仕事に、俺はなりたくなかった。
産まれたときから知らず知らずのうち医者として育てられた俺に、選択の余地はない―むしろ、昔は将来を選ぶなんて面倒臭いから良かったとさえ思っていた。
゙あの人゙に会うまでは―
『自分の好きなものを作るって、凄い素敵なことなんだ。君は何か作りたいと思わないのかい?―医者になる?凄いんだね!それが君の゙したいこどなのか』
俺ははっとした。
俺は医者になりたいと思ったことはない。
勿論、人の命を救うことは凄い事だと思う。何人もの人を救って来た親も尊敬する。
だけど
俺が好きなものって何だろう…
『孔弾ってゲーム得意だよなあ。好きだから?』
俺より前に上京した親友―幸喜の言葉。もし、自分がゲームを作ることができたら…
二人の言葉で、俺は決心する。俺はクリエイター…ゲームクリエイターになるんだ!
その為に、親に同意して欲しかった。
家出して、行くはずだった医大にも行かなかった。
俺は無意識のうちに―
参加
それに丸をつけた。
孔弾は気付いて無かった。
下に、凄く小さい文字で書かれた二行。
優勝者の義務
私のコレクションになること
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