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「達哉!!僕、日曜日、一緒にライヴ見に行くよ」
次の日の朝、
先に教室にいた達哉に駆け寄って言った。
本当はあまり乗り気ではなかったけど、
なめられたくないのと、嫌われたくないという2つの思いが、
僕の乗り気ではない気持ちを上回った。
「お、そうか。じゃあ兄貴に伝えておくよ」
達哉は少し嬉しそうに頷いて言った。
「おいおい、なんの話だー??」
横から口を出したのは、同じクラスの健太だった。
健太は、背が高くガタイも良く、性格は負けず嫌いで強気、
いわゆる不良だ。
服装もB系で、ノリもそんな感じだった。
しかし、健太は達哉ととても仲が良く、よく二人で喧嘩をしに行ったりしていた。
いわゆる、悪友ってやつだ。
「あぁ、うちの兄貴が今度の日曜日にライヴをやるから、アキと見に行くんだ」
僕がそんなことを考えていると、
達哉はニヤニヤしながら健太に話した。
「へー、何かズルいぞ!!俺も仲間に入れてくれよ」
健太は、僕と達哉の肩を掴みながら言った。
しょうじき、僕は健太が苦手だった。
「健太ならそう言うと思ったよ。もちろんだぜっ」
達哉はそういいながら、健太とハイタッチをした。
「じゃあ当日は、3人で行こう。集合場所は駅前な」
達哉がそう言った直後、授業開始の合図が鳴った。
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