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当日
僕は少し緊張気味に支度をしていた。
何しろライヴハウスに行くなんて初めての経験だから。
もう僕も中学3年。
ファッションにもちょっとずつ気を使うようになり、
いろいろ考えて、服を選んだ。
逸る気持ちが災いし、
準備が思いのほか早く終わったため、家を出ることにした。
日曜日の夕方。
今日は天気がよく、夕焼けが綺麗に映える。
これから初めての体験が待っている。
期待と不安が混ざり合って、変にドキドキしていた。
不思議な高揚感。
待ち合わせ時間ぴったりに駅に着くと、
そこには達哉の姿があった。
達哉は僕を見つけると、手を降った。
「お、さすがアキ!!時間ぴったりだな」
達哉が僕の元へ駆け寄ってくる。
「うん。ところで、健太は??」
案の定、健太は遅刻だ
健太の雑な性格から、容易に想像できた。
「悪い、遅くなった」
隆弘が走って信号を渡ってやって来た。
「遅いぞ隆弘、30分も遅刻しやがって」
達哉が呆れながら言った。
「だからごめんって。髪型が上手く決まらなくて」
健太は坊主だった
「とにかく、時間がないから行くぞ」
達哉を先頭に健太、そしてその後に僕が続いた。
他愛もない会話が続く。
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