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―――五年前―――
世界的大企業山井ファイナンスが当時世界最大のクルーザーを製作し、処女航海を行った。
そのクルーザーには世界的な大富豪、経済界のトップ、様々な著名人たちが乗っていた。もちろん金子賢も乗っていた。
二、三日航海した晩、ディナーの席でたまたま金子と同席する事が出来た。
私と金子はお互い顔は知っていたが、話をするのは初めてだった。
簡単な自己紹介をし、その晩は他愛の無い話をして過ごした。
初めて話したにもかかわらず、『馬が合う』というかお互いがお互いにひかれあった。
他人をけり落としてでも上に登る世界で生きてきた二人なのに初対面でお互いを心から信じあえる。そんな感じだった。
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