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クルージングも予定の半分を過ぎた頃。朝起きて窓の外を見てみると、前日までの快晴が嘘だったように大雨だった。
その日は珍しくスタッフが慌しく船内を動き回っていた。
気になって一人に声をかけてみた。
『妙に慌しいけどなにかあったのかい?』
「少々雨が強いので何があってもいいように諸々の点検をし直しているだけです。」
そう、告げると足早に去っていった。
ぼ~っと廊下につったていてもしょうがないので、金子の部屋に行くことにした。
部屋についてみるとまだ寝ていたようで、寝ぼけた声で「五分待ってくれ」という声がした。
少しすると、ドアが開き眠たそうな金子が現れた。
日光浴という天気でもないし、金子も寝起きだったこともあり船内の喫茶店でコーヒーを飲むことにした。
喫茶店に着きコーヒーを二つ頼むと、さっきスタッフが話していた事を金子にも話してみた。
「何も、おきなければいいけどね」少し不安げに金子は呟いた。
『映画みたいなことなんか、早々おきないだろ。』
『もし何かおきたら、お前の対応楽しみにしてるぜ』と茶化してみた。
「縁起でもないこというなよ。事実は小説よりも奇なりっていうだろ?」
そう言うと同時に、大きな衝撃が俺たちを襲った。
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