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暗い…
何も見えない…
何も聞こえない…
「俺…死んだのかな」
ゴンッ!
「いって…」
『お前さ~、勝手に死ぬな!』
「旬?」
(玉姫に寂しい思いをさせる人は誰かな~)
「姫…」
[俺にも殴らせて?]
「玉木」
「てことは…やっぱり死んだの?」
ゴンッ!
「いってぇ」
『だから、死なせないよ?』
「えっ?」
[りおっちの頼みは何でも聞いちゃうからね]
(一馬!約束は守る為にあるんだよ?)
「でも…耐えられないんだ」
[一馬ちゃんは、真剣なんだ~]
(真剣なのはいい事だけど、死ぬのは駄目!)
「わかってるけど」
[へぇ…このこが一馬の愛した人?]
「ああ」
(可愛いね)
『りおには負けるけどね』
(はぁ…)
「でも、また会えて嬉しいよ」
『俺達は嬉しくないけどな!』
[そうそう]
「そんな…」
(死んで会いに来られてもね)
「ごめん…」
『でも、一馬の気持ちはわかるからさ』
[だよな]
(一馬はほんとに手がかかるね)
「ひどっ」
『まぁ、いいや』
(一馬…これがほんとのお別れだよ)
「えっ?」
『ブレスとお前の記憶と引き換えにもう一度だけ、奇跡を起こす』
「えっ?」
[クリスマスプレゼントだよ]
「意味がよく…わからない」
(うん、わからなくていいよ)
『とにかく、お別れだ』
[優さんを大切にね]
(幸せになるんだよ)
『いつも見てるからな』
「えっ?」
(一馬、しっかり優さんを守るんだよ)
『二人に月の祝福を』
[Merry X'mas 一馬]
まばゆい光の中、一馬は再び目を閉じた
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