ー一馬ー

58/59
878人が本棚に入れています
本棚に追加
/176ページ
優は静かに目を覚ました (あれ…ここは?) 回りを見渡し、病院だと認識した (どうしてここに?) 「目が覚めましたか?」 (先生…) 「貧血で倒れたんですよ」 レオンは優が病気だった記憶も消されている事を知っていた (貧血かぁ…) 「もっと、たくさん栄養をとらないとね」 (はい) するとドアが開いて、一馬がやってきた 「優!大丈夫?」 (一馬さん…貧血だったみたい) 「そうか~、なら安心だね」 一馬は優を見ながら笑う 「では、明日まではおとなしくしていてくださいね」 レオンは病室を出ていった 「ほんとによかった」 優を抱きしめながら一馬はいった (うん、心配かけてごめんね) 「優が元気ならそれでいいよ」 (クリスマス終わっちゃったね) 「また来年があるし、その次の年も、ずっとあるから」 (そうだね) 二人は幸せそうに笑った 優の指には可愛い指輪が光っていた 記憶と引き換えに永遠の愛を手に入れた一馬が、それでよかったのかはわからない でも、この二人はいつまでも幸せに包まれながら生きていくに違いない 一馬の恋愛はまた、ここからスタートする もう、何も二人を阻むものはない もしあったとしても、愛の力で叩き壊してしまうから…
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!