仮想の楽園

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「うわぁ?!何か踏んだ?!」 「あ~、人が死んでる~(笑)」 「死んでない…あ、いや、死んでるけど」 獣人が叫び、男は笑い、俺はボソリとつぶやいた。 「とりあえず、回復しますか~そぉ~れ☆」 ぱぁぁぁあ~。 男が光を放つと俺のPCも光り輝き、戦闘不能状態から回復した!…HP少ししかないけど… ともあれこれで行動可能! 「ありがと、助かったよ」 「いえいえ~、どぉいたしまして~♪」 俺の礼の言葉に男がのほほんと答える。 「ふんずけてゴメンな。じゃ、行こう鉄夫!さっさとアイテム取ってエリア出よ!」 「ハイハイわかったわかった。じゃ、君。お気をつけて~♪」 二人は俺に挨拶するとくるりと背を向け立ち去って行く… って… 「ちょっと待ってくれ!」 俺は慌てて二人の元へ駆け寄った。 「俺、さっきのモンスターに 一発で殺られたんだけど… 何でだ?」 呼び止められた二人が振り返りそれぞれ首をかしげて、 「何でって…レベル足りないからじゃないのか?このゲーム、レベル差が10近くあるとメチャクチャ苦労するからなぁ。お前、レベルいくつだ?」 「1だけど」 「そうか、レベルいち… ……は?」   獣人が気の抜けた声を上げ、男がすっとんきょうに叫んだ。 「れ、レベル1て…このフィールド、エリアレベル48だぞ?冗談だろ!?」 「エリアレベル…てなに?」 獣人の問いに俺が問い返すと、二人は顔を見合せた。 「…もしかして、初心者か?」 「初心者でしょ、どう見ても(笑)」 二人は呆れ果てていた。
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