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しばらく歩いていると、広場のような場所にたどり着いた。
「強ぇ武器たっぷり仕入れたぜぇぇぇー!お前ら見ていけ!てか、買ってけぇぇぇぇ!!」
お店みたいな場所でムキムキマッチョの男PCが大声で色んなPCに呼び掛けている。
あれは確か、ギルドショップ。
ギルドとゆう、…まぁ学校の部活とゆぅか大学のサークルとゆぅか…複数のプレイヤーが集まって作る組織のこと。
ギルドを作って登録すると、ああやってお店を開いたり、自分たち専用のエリアが貰えたりするらしい…
うぁー、良いなぁ…。
「おい、そこのにぃちゃん!」
ぼ~っとギルドショップを見つめていたら、店員に声をかけられた。
「突っ立ってねぇで武器見ていけよ!本当にイイヤツばっかし揃えてるからよ!」
「あ、は…はい!見させていただきます!」
店員の迫力に気圧されて、なぜか変な敬語になる俺。
店員に話しかけると、画面に商品のリストが出てきた。
…ん?
「あのー…スンマセン」
「あ?どした?!クレームなら受け付けねぇぞ!」
「いや…クレームじゃなくて…(^_^;この武器についてる+2とかてなんすか?」
そうなのだ。リストの武器には+2だの+3だのとちらほらある。
「なにって錬成済みってことだろ?!知らねぇのか?!」
「はい…今日からこのゲーム始めたんで」
「…かーっ!初心者かよお前!じゃあレベル低いわ金も無いわで全然商売にならねぇな!」
金…GPももちろん無いが、俺はレベルがまだ1
…実はこのゲームの装備品…武器や防具にもレベルがあり、
装備したい武器のレベルより自分のレベルが低いと装備できない。
このギルドショップの商品はみなレベル30以上。仮に手に入れたとしても、使えるようになるのはまだまだ先…
「…お邪魔しました…」
俺はうなだれながらギルドショップを後にした。
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