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数秒の沈黙の後、ラインは走りだした。
「何キレてんだあいつ?」
ロインはガルディの顔を見たがわからないといわんばかりに首を傾げた。
ラインは倉庫にあるソウルスフィアをいくつか持ち出し、袋に詰め込んだ。
「本当は許可貰わなダメなのだが、緊急事態だから仕方がない。」
半ば強引に持ち出した罪悪感と共に城の地下にある時空の扉へとむかった。
時空の扉の前に着くと扉の前には一匹のドラゴンが待っていた。
「ライテイ、待っていたのか?」ラインはライテイと呼ばれたドラゴンの下顎を撫でる。するとラインの胸元に頭を突っ込んできた。
「ふふっ。お前もきてくれるのか、ありがとう。」
まわりの人間達には聞こえないが、ラインとライテイは心で会話ができる。
二人が会話していると後ろからラインを呼ぶ声が聞こえた。振り向くとロインと術を使って体を二分の一ぐらいにしたガルディがいた。
「何だロイン、おまえも来てくれるのか?」
「ドラゴンのいない世界なんて謹んでお断わりだ、俺はお前にコレを渡しに来たんだよ。」
渡されたのはドラゴンに乗るための鞍と防具一式、さらにドラゴン用の食料だ。
「向こうはドラゴンが居ない世界、つまりドラゴン関係の物は一切無いワケだ。あと、念のためにコレを渡しとく。」
受け取ったのは小さな水晶の固まりだった。
「これはソウルケージ?何故こんなものを?」
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