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快栄は未宇に近付く。未宇は後ろに後退るが、後ろの壁にぶつかった。
快「未宇…いや“深海”だろ?やっぱり記憶が失われたか…」
快栄は未宇を抱き締める。
未宇は初めてのことなのに、懐かしさを感じた。
?「そこまでよ!快栄…いえ“魁慧”と呼んだ方がいいかしら?」
未宇が振り返ると、白い羽を広げ降り立つ一つの影。
未『結衣…?』
それは結衣だ。
だがその姿はいつもの結衣とは違い、短い黒髪が背中にかかる薄桃色の髪だ。
結「あなたが“深海様”である以上私はあなたを守らねばならない…なぜなら私はあなたに仕える天使だったから…。」
快「未宇は渡さん!たとえ深海であっても!」
結衣はため息をついた。そう簡単に魁慧が引き下がるわけがない。
結「残念だけど…深海様は“神様”が天界で大事な仕事をまかせている唯一の天使なの…地界の長であるあなたと恋に落ちることは天界において大罪…」
快栄は唇を噛み締めた。この事が神に知れれば、深海の四天使長の位剥奪、天界から追放、堕天の烙印を捺されることになる。
ふと振り返ると困った顔をした未宇がいた。
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