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結衣が話を切り出す。
結「でも深海様は覚醒しつつある…。覚醒した暁には天界へ連れて帰るわ…それが神様から下された私の使命だから…」
結衣は姿を元に戻し、校舎の中に入って行く。快栄は動揺を隠せない。未宇には早く記憶を取り戻し覚醒して欲しい。だがその反面、記憶が戻り天界に連れて行かれたくない。
このままでいい。
たとえ未宇が俺のことを忘れていても、側にいると分かるなら…。
未『快栄センパイ…?』
快栄は無意識に未宇を抱き締めていた。
快「しばらく…このままでいさせてくれ…」
未宇…
この世でたった一人の俺の愛しき人。
この先どんな事があろうともこの手だけは離さない…
お前が望むなら
何度だって名前を呼ぶ…。
だからお前も俺から離れないでくれ…
時間だけがゆるやかに過ぎていった。
気がつけば、日は暮れ薄暗くなっていた。
快「もう遅いから、家まで送ってく…」
未宇の手を握り、快栄は歩みだす。
二人の間に沈黙が走る。
未『あっ…あのっ…!』
未宇が歩くのを止めた。未宇が一軒の家を指している。
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