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快栄の腕の力が強くなる。
アタシはこの温もりを知っている…?懐かしさを感じた時、未宇の体が光に包まれる。
快「未宇…!?まさか…“覚醒”か!?」
光に包まれた未宇の体は、眩しくて見えない。だが着実に変化は始まっている。
未宇の心臓の鼓動がドクドクと快栄の耳に届く。
しばらくして光は四方八方に散らばり、未宇の姿は影で確認できた。
その姿は、“未宇”とは違う。
髪は透き通るライトグリーンの長い髪、“未宇”より少し年齢を重ねた顔が快栄を振り返る。
背中には純白の羽を広げ立っている少女。
快「未宇…?いや“深海”…逢いたかった…」
深『…“魁慧”…?』
真の名を呼ばれ、快栄の体が黒い光に包まれ、快栄より少し長身の青混じりの漆黒の短髪の青年に変わっている。
青年は黒い羽を広げている。
魁「そうだよ…魁慧だよ…深海」
魁慧は深海に駆け寄って抱き締めた。
深『魁慧…魁慧…!逢いたかった!!』
深海はすがるように魁慧に泣き付いた。
ジャリッと砂を踏む音に、魁慧がふと顔を上げると、結衣の姿が目に入った。
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