15人が本棚に入れています
本棚に追加
/158ページ
深『…それだけ…ですか…?』
深海はきょとんとした顔で心音を見上げた。
心「それだけしか伺っていないが…捺印の儀は追って知らせる」
華杏が口を挟む。
華「でも…そちらの方はどうなるかは…」
?「その心配には及びません…」
声がした方を振り返ると、一人の男が立っていた。その背中には黒い羽が広がっている。
魁「…貴葉兄さん…!?」
貴「久しぶりだな…魁慧…いや我が主…」
貴葉は魁慧の前にひざまづいた。
貴「先代…お父上様からのお言葉を伝えに…」
魁「父は何と?」
貴「地界へお戻りになるようにと…」
魁慧は深海を返り見る。
魁「心配するな…すぐ戻る」
華「それならば深海は天界へ連れて行こう…一人にしておくのは不安だろ?」
佳「まだ…天使だからな…神様からの使命があるしな…」
魁慧の合意のもと、深海は天界に戻る事になった。
魁「離れていても…心はお前の側にいる…」
魁慧は深海の頭をなで、姿を消した。
それから半月…。
天界に戻った深海は“生命の樹”の枝に座っていた。
最初のコメントを投稿しよう!