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泣いている華杏を佳衣は抱き締めた。
深海は華杏を幼馴染み。黙っていることができなかった。
佳「華杏…人間界へ行こう…!深海を連れ戻さないと…彩美愛様の許可を…」
華杏は涙を拭って羽を広げ、佳衣と共に彩美愛のもとへ急いだ。
華「彩美愛様!私が言ってしまったせいで深海が人間界に…!」
彩「わかっています…深海を頼みます…」
二人はうなずき、人間界へ降りて行った。
その頃深海は、人間界に到着していた。
深『魁慧…!』
彩美愛の力なしに人間界へ降りることは深海の法力のほとんどを使う。
少ない力を振り絞り、姿が人間に見えないようにするのが精一杯だった。
深『魁慧…魁慧…!』
深海が愛する人の名を呼ぶ。来るはずはないと思いながらも。
魁「深海!」
深海が空を見上げると空からは愛する人の姿。
逢いたくて
逢いたくてたまらなかった
深『魁慧!』
深海は力が入らない手を魁慧に伸ばす。
倒れそうになる深海の体を魁慧は抱き抱えた。
全身に切り傷や擦り傷が痛々しい。
深海はそんな辛い思いをしてまでも、彼に逢いたかったのだ。
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