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華杏の瞳には涙が溢れていた。
唇を噛み締め、泣く事を我慢している。
佳「泣くな、華杏…心の中に深海はいるから…」
佳衣の言葉で、華杏は佳衣の胸元に飛び込み声を上げ泣いた。
二人の魂の光は、寄り添うようにして楽園へと昇って行った。
泣きじゃくる華杏をなだめながら佳衣は光を見送った。
深海が目を覚ますと、辺り一面真っ白な世界。
魁「深海…」
耳をくすぐる声に深海は振り返った。
深『魁慧!』
魁慧の姿を見つけると深海は駆け寄った。
♪~♪~♪~
深海の美しい歌声が楽園中に響き渡る。
深海が歌を歌う訳
それは天界にいる華杏に届くように
華杏が寂しくないようにと
ちゃんと届いているかな?
華杏…
華杏はふと後ろを振り返る。
華「…この声は…深海の歌声…?」
華杏は微笑んだ。
アタシたちずっと親友よ…深海…
華杏は遥か彼方の親友に笑いかけた。
いつだっていつだって聞こえているよ
僕の名を 僕の名を
呼ぶ声
どうかもう泣かないで君の想いは
伝わっているから…
華杏は深海が歌っている歌を歌った。
遠くに離れているのに二人の歌声は美しいメロディを奏でていた。
end.
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