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ついにスサノオはとんでもないことをしでかした。
神に祈りを捧げる巫女は純潔でなければならない。
スサノオは姉であるアマテラスに恋焦がれてしまい、その想いの強さを抑え切らず、アマテラスの純潔を奪ってしまった。
―私は汚れてしまった…汚れてしまった私が神様に祈りを捧げることはできない…―
そう言い残してアマテラスは自害してしまった。
あんなに恋焦がれたアマテラスがいなくなり、スサノオは当てる先のない怒りを高天原で爆発させた。
スサノオが暴れ狂い。高天原は荒れに荒れた。
「スサノオよ…高天原を危機においやった罪は重い…よって人界へ追放する…」
そしてスサノオは、オモイカネによって高天原を追放されたのだ。
アマテラスは願った。
生まれ変わるならば…
不死にして不死にあらずの神に生まれ変わり…
スサノオから解放されたい…
ゆえに男に生まれ変わったのだ。
今目の前にいるのは姉アマテラスの生まれ変わり。
須佐は口をつり上げ笑った。その容姿は間違なくないアマテラスの生まれ変わり。
色は違えどまっすぐ俺を見つめる灰褐色の瞳はあの時と変わらない。
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