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その神将の姿を見た途端、水蓮は神将に駆け寄った。
「天照…あなたまだ万全ではないのよ!?」
宇津萌は月詠を怒鳴りつけた。彼女の瞳にも涙が見えた。彼女もまた月詠の事を水蓮と同じくらいに大事だと思っているのだ。
「まったく…無茶ばかりするな…お前は」
『…ん…あれ…?月詠…なんか小さくない?』
いつもは顔が上にあるため見上げていたのが、今は逆に月詠が水蓮を見上げている状態なのだ。
「通力がまだ万全じゃないから通力の強さに対応して体が縮んでいるだけだ」
劉心は月詠の頭をくしゃりとなでる。小さくなった月詠はされるままになっている。
『よかったぁ…』
安心したのか、水蓮はその場に座り込んだ。というより力が抜け、崩れ落ちたのだ。
「すまん…水蓮。お前声が聞こえた…そのお陰だ」
『月詠…』
月詠は水蓮の前にひざまづいた。
「我が主…水蓮。我が真名において我を召喚せし者…汝を守護したまえる……」
刹那、水蓮の脳裏に年を重ね、立派な巫女になった水蓮の姿と後ろに月詠が立っているビジョンがよぎった。
『……?なにこれ?』
答えたのは劉心だった。
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