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そしてこれからも月詠は水蓮のそばにいてくれるだろう。
二人寄り添う姿を見て劉心は心の中で呟いた。
数年後―
「水蓮、またお前に仕事依頼が来たぞ」
月詠は部屋の戸を開け、部屋の真ん中に座っている水蓮に声を掛けた。
『分かったわ。すぐに行くわ』
水蓮は巫女装束に身を包み、立ち上がり部屋を出る。
最近は水蓮のところへ占い、退魔の仕事依頼が多くなった。占いは自宅で、退魔は依頼があればすぐにでも行う。
母屋に向かう水蓮の後ろ姿を見ながら月詠は思った。
我はずっと水蓮のそばにいる。
我に居場所を与えてくれた
水蓮のそばに…。
この先どんなことがあろうとも、お前だけが生涯ただ一人の主。
この命に代えてでも守ってみせる。
お前が我の二つ名…真名を呼んだあの日から…。
end
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