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柚羽と呼ばれた少女は、貴葉の妹で彼の胸ぐらいまでの身長。ライトブルーの背中を覆うくらい長い髪を風になびかせている。
柚「魁慧様…行っちゃった…」
小さくなっていく魁慧の後ろ姿を見ながら、柚羽は呟いた。
―D‐5ブロック担当、門をくぐれ―
魁「深海…向こうで待ってるよ…」
魁慧は門の中に身を投じた。
天界―
深海はふと後ろを振り返る。
深『魁慧…?』
彼の魔力が消えた。門をくぐったのを深海は感じ取った。
それから冬が過ぎ、春、夏になった。あと一季…秋が来れば…。
突然、風が渦巻き、木々が揺れる。
深『…華杏!』
華杏は深海を振り返る。
華「深海…“神様”がお呼びよ…」
そう告げると、華杏は風と共に消えていた。
華杏は風を司る“風天使”。故に風を自在に操る。
深海は純白の羽を広げ、神の間に向かい飛び立った。
深『失礼いたします…深海です。』
神「お入りなさい…」
神の間に入ると、神々しい光、この世の生き物と思えぬ美しさを放つ神・彩美愛【さりあ】が正面の壇上に座っていた。
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