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彩美愛はまっすぐに深海を見つめる。その瞳は、全てを見透かしているように感じる。
彩「深海…最近仕事が滞っているようですが…?」
深海の仕事、それは汚れなき心で“生命の樹”から新たに生まれる天使を導くこと。
深『……そ…それは…』
彩「言い訳は無用です…仮にも貴女は“水天使”…。…3ヵ月謹慎して身と心を改めなさい…」
そう、深海は水を司る“水天使”。天界を支える四天使長の一人なのだ。
火を司る“火天使”佳衣【けい】
土を司る“地天使”心音【まなと】
風を司る“風天使”華杏。
そして水を司る“水天使”深海。
四天使長の一人でもある深海は彩美愛から大事な役目を任されているが、今の深海の頭の中は“魁慧”のことしかない。
それから3ヵ月。季節は冬になっていた。
今日もまた多くの天使たちが人間界に転生していく。
謹慎していた3ヵ月の間、法力は彩美愛によって封じられていたため、逃げ出そうにもできなかった。
3ヵ月過ぎた今がチャンス。今深海は“転生の門”の前に立っている。
周りに誰もいないのを確認すると、深海は門の中に身を投じた。
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