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「袋は僕が持つよ」 今城が硝子細工の入っている袋を静かに奈々美から受け取った。 続けて、寒くない?と尋ねると、奈々美は黙ったままゆっくりとかぶりを振った。 今城の手は奈々美の腰に置かれたまま、二人は信号が再び青に変わるのを待っていた。 二人の遠い目はその時、それぞれに違う方向を見ていた。 その時、まばゆいヘッドライトの明かりと共に、白いワゴン車が、彼らの前に着実に近づいてきつつあった。
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