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(県立□○中学校)
中学校の卒業式を終え、やっとの思いで、義務教育から脱出する。…それは建前であり、結局高校や大学には、通わなければならない。
「律、同じこーこーだね♪これからも一緒に行こうね。」
幼なじみの麻里(マリ)に言われ、煩わしそうに、返事する。
「子供じゃないんだから、断るよ」
卒業式だというのに、晴れやかさも、感動もないまま、小林律(コバヤシ リツ)は言い放った…。
「卒業おめでとう。麻里」
「ありがとう♪律」
嬉しそうな幼なじみを尻目に、律はサクサクと歩き出した。
「待ってよ!律…追いつけない。」
麻里の声を聞く様子もなく、律は校門を背にして、歩き出した。
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