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「ヴェン!」
少女が叫ぶ。
目の前にはとてつもなく大きな扉。
その正面には一人の青年が立っている。
「逃げるんだ。早く」
青年は少女を背にして、クシャクシャの黒髪を無造作にかき上げた。
「でも、扉が・・・」
扉は重そうに開き始めていた。
「大丈夫。僕がなんとかして止める」
「そんな、無茶だ!下手すれば死ぬぞ!」
少女は青年を止めた。
だが、青年は振り向きにっこりと微笑んだ。
「僕を信じて」
「ヴェン・・・」
「それに、僕に何かあった時、君が助けてくれるでしょ?」
そう言って、青年は扉の中に吸い込まれていった。
「ヴェ―――――――ン!!」
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