デジャブ

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まただ、デジャブか?確かこの後は…… 思い出せない!! 経験したという事は分かるけど、それはあくまでも経験した後だから分かるだけ。 経験する前に次がどうなるかは、全然分からない。 いつの間にか俺達は昔に戻って彼女の家に生えていた大きな木に登っている所ろだった。 「ねぇ、危ないからその位にして降りようよ。落ちたら大けがしちゃうよ」 「大丈夫だよ。心配性だな。今日こそてっぺんまで登るからね」 「何で、てっぺんなの?」 「てっぺんなら、あの向こうの海がきっと見えるからさ」 「海なら、直接行けば良いじゃない」 「2人だけで海が見たいから」 「私達が大きくなったら行けるよ。だから、もう降りようよ」 「後もう少しなんだ。あそこまで行けば!あ!」 ボキ! 「きゃー!アッキー!!」 思い出した。 そうだ僕はあの時、木から落ちたんだ。 それから… あれ、もしかして、今までの出来事は夢なのか? そういえば、何度も何度も彼女と海に行くけど、彼女と海なんて見た事ないから途中で裏山に飛んだり、途中の出来事が途切れ途切れになったって事か!? じゃあ大人になった彼女との事も夢なのか!? だから本やテレビでかじった知識だけだから、話しも長く続かず場所や時間が変わってしまったって事なのか? まてよ。じゃあ実際の僕は小学生!? そんな馬鹿な! 「アキラ!アキラ!目が覚めたの?」 誰だ?このおばさんは、ばぁちゃんに顔が似てるけどばあちゃんよりは若いよな? 「お前、木から落ちて10年も眠っていたんだよ」 はぁ?10年?僕は…… ガチャ 「こんにちは。おばさんアッキーの様子はどう?」 誰だ? 「おばさん!ア、アッキーが、アッキーが目を覚ました!!」 「ええ。さっきなのよ。突然目を開けたの。だけど、混乱してるみたいでね。私の顔を見ても誰?って感じなのよ」 「アキラ!分かるかい。林さんだよ。お前が落ちて目を覚まさない間、林さんは毎日って言っていいほどお見舞いに来てくれてたんだよ」 林……? 「アッキー。私よ寛子よ!」 「ヒロ?」 彼女がヒロだと言うのか?大人になった彼女は… あれ、あんなに沢山会ってたのに顔が思い出せないよ!? 小さな頃のヒロしか顔が無いじゃないか。 やっぱり、僕は夢を見ていたのか。 夢なのか…。じゃあ、あれが、お母さん?そして、あのお姉さんがヒロ?僕はどうなったんだ。
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