真実

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手は?! 動く。 足は?! 動く。 体は!? う、動かない!! 「か~体が、動かな~い」 あれ、口が上手く回らない! 「良かった!声が出せるのね。仕方ないよ。 アッキーは10年も寝たきりだったんだから。急に動くなんてムリよ。 でも、大丈夫リハビリさえちゃんとやれば昔のように、走ったり歌ったり、笑ったり出来るわ。 私も手伝ってあげるから、頑張りましよう」 やっぱりヒロなんだよな。 なんか綺麗になったから最初は分からなかったけど、やっぱりヒロだ。 「あ~りがと~う。頑張るよ。だけどなんで、そんなに親切にしてくれるの?」 「え。なんでって。それは秘密よ。とりあえずリハビリ。 でも元気になったら教えてあげるわ」 僕はリハビリをした。最初はガムを噛んでアゴの筋肉や舌を舐めらかに動くように頑張った。 それから、手や足や腰、いたる所の関節を曲がるようにマッサージしてもらい、自分で少しづつ動かせるように頑張った。 2週間が過ぎようやく自分の体に慣れ体も動かせるようになってきた。 そして、今日はやっと自分の顔を鏡で見せて貰える約束の日だ。 最初、自分の10年後の顔をすぐに見たいと言ったのだが、ヒロが2週間リハビリ頑張ったら見せてあげるなんて言い出したから、まだ見ていない。 もちろんトイレも行けないから鏡は見ていない。 「アッキー2週間、頑張ったね。もうすぐ、1人で歩けるようになるよ」 「うん。ありがとう。それより早く鏡貸してよ」 「じゃあ、鏡」 僕は彼女から鏡を受け取ると自分の顔を見た。"え!!" これが、俺なの?確か、もっと丸い顔だったはずだけど。 これが本当に俺なのか? まるで雑誌のモデルみたいに整ったカッコイい系の顔が!! 「なあ。ヒロが親切にしてくれてる理由ってさあ、もしかしてこの顔?」 彼女は顔を赤くして小さく頷いた。 やっぱり、顔かよ~! てっきり、幼なじみのお見舞いに来てくれてる内に母性本能に火がついたとかって話しかと思ったのになぁ。 「まあ良いや、それより元気になったら海に2人で行くぞ!」 「うん。アッキーと海に行く!」 リハビリも無事に終了し、すっかり元気になった。
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