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時の海を進んでいく三人。
冥界に着くまでの間、美嘉はクライムに色んな話を聞いていた。
「さっきのアイツ、一体何なの?」
「あの人はおそらく“厄”に取り込まれてしまったのでしょう。」
「やく?」
「“厄”とは、人々の負の感情から生まれる物です。
彼等は生ある者を恨み、不幸にしようとするのが一般の“厄”です。
厄年とか言うでしょ。それは、“厄”に不幸にされる可能性が高い年の事なんです。」
「あぁ、納得。」
「しかし、時折“厄”に取り込まれてしまう人がいるんです。
そうなってしまうと、魂が喰われ、“厄”の思う通りになってしまうんです。
そういう人を助けるのも、書き換え師の仕事なんです。」
美嘉は、わかったようなわからないような感じで聞いていた。
しかし、書き換え師が大変な職業な事はわかったみたいだった。
「書き換え師って大変なんだな。」
「えぇ。特に今回みたいに書き換えに“厄”が関わっている時が一番大変です。」
「そうなんだ…」
なんか非現実的すぎて、美嘉は関わらなければ良かったと思った。
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