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暫く二人は無言だったが、それに耐えきれなかったのか、美嘉はクライムに話し掛けた。
「そういえばさ…。これから行く“冥界”って、どんなとこなの?」
「もうすぐで着きますから、そうすればわかりますよ。」
クライムは笑いながら答えた。
美嘉は、この人よく笑うなぁ…とか思っていた。
そうこうしている間に、美嘉達の目の前には、巨大な三つの水晶玉が浮かんでいた。
「何なの…これ?」
「分かれ道です。人間界の他には、天使界、悪魔界、そして冥界がありますから。
その世界の入口みたいなものです。」
「へっ?」
美嘉は、一瞬クライムが言ったことがわからなかった。
冥界でさえ信じられないのに、人間界の他に天使界、悪魔界があるなんて言われても、信じられなかった。
「なんか…、人間って何も知らないんだ…」
「えっ?何か言いました?」
「なんでもない。それより、早く行こう!」
「…わかりました。よく捕まっていてください。シャチ!」
「わかってる!」
シャチは勢い良く、真ん中の水晶に突っ込んだ。
潜り抜ける感覚がした後、視界は濃い霧に遮られた。
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