第一話-始まり-

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暫く二人は無言だったが、それに耐えきれなかったのか、美嘉はクライムに話し掛けた。 「そういえばさ…。これから行く“冥界”って、どんなとこなの?」 「もうすぐで着きますから、そうすればわかりますよ。」 クライムは笑いながら答えた。 美嘉は、この人よく笑うなぁ…とか思っていた。 そうこうしている間に、美嘉達の目の前には、巨大な三つの水晶玉が浮かんでいた。 「何なの…これ?」 「分かれ道です。人間界の他には、天使界、悪魔界、そして冥界がありますから。 その世界の入口みたいなものです。」 「へっ?」 美嘉は、一瞬クライムが言ったことがわからなかった。 冥界でさえ信じられないのに、人間界の他に天使界、悪魔界があるなんて言われても、信じられなかった。 「なんか…、人間って何も知らないんだ…」 「えっ?何か言いました?」 「なんでもない。それより、早く行こう!」 「…わかりました。よく捕まっていてください。シャチ!」 「わかってる!」 シャチは勢い良く、真ん中の水晶に突っ込んだ。 潜り抜ける感覚がした後、視界は濃い霧に遮られた。 .
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