第一話-始まり-

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霧の中を進んでいくと、ふいに美嘉の横を何かが通り過ぎていった。 さらに奥に行くと、それは増えていった。 そして、美嘉は気付いた。 横を通り過ぎていく物が、淡い光りを放つ物体。なんともおばけ屋敷にある、火の玉にそっくりだった。 「ねぇ…一応聞くけど、周りに飛んでいる物って何…?」 「これは、魂ですよ。」 「魂っ!?」 「だって冥界は死者の魂が、集まる世界。死者の魂を選別する場所ですから。」 「なにぃぃ!お前はあたしを殺す気か!?降ろせぇぇ!!」 死者の世界と聞いて、美嘉は降りるべく暴れだした。 「違いますよ。ここには私の親友がいるんです。彼にあなたを元の時間に帰してもらうんです!」 「そうなの?」 「はい。」 美嘉は暴れるのを止め、大人しくクライムにしがみついた。 「美嘉さん、見えてきましたよ。あの建物に私の親友がいます。」 前を見てみると、昔の中国の宮殿みたいな建物が聳(そび)えたっていた。 地面に降りてみると、建物はさらに大きく感じるものだった。 目の前には巨大な扉。 魂達は、扉を擦り抜け中に入っていた。 .
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