第一話-始まり-

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「どうやって中に入るのさ?」 見た目だけでも重々しい扉。 二人だけで開けるのは、どう考えたって不可能。 心配している美嘉をよそに、クライムは微笑んでいるだけだった。 そして…、 「おーい、私だが開けてくれないか?」 いきなりクライムが大声で叫ぶと、暫くして扉がゆっくりと開いた。 「さぁ行きましょう。」 クライムは美嘉の手を引いて、中に入って行った。 建物内では、沢山の魂達が飛び交い、ある場所に向かって進んでいた。 そして二人は、広間のような場所に辿り着いた。 奥の方には浮いている三つの扉。真ん中の扉以外は、開け閉めがされている。 クライムがさらに進むと、巨大な机?みたいな物の一番上で仕事をしている人物が一人。 「ちょっと頼みたい事があるんだけど…エンマ。」 「またお主か…クライム…」 仕事をしていた男が、書面からクライムに目線を向けた。 濃い赤毛のくせっ毛で頬には逆三角の模様が二つ。帽子には大きな角。少しとんがった耳。 「お主の頼み事はいつも面倒で困る…って、誰だその小娘は。」 エンマと呼ばれた男は、仕事の手を止め、美嘉の事を見下ろした。 .
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