第一話-始まり-

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東京:過去 「この辺にいる筈なんですけどねぇ…」 今クライムは独り言を漏らしながら、街中をあるいていた。 シャチは“厄”との戦いに参加できない為、どこかのビルの屋上に待機していた。 暫く歩いていると、親子三人がクライムの目に写った。 (あれが…小さい頃の美嘉さん…。) 両親に手を引かれ、楽しそうに歩いていた。 この後の悲劇も知らずに…。 (あっ!あいつは…) 親子の後をつけていたクライムは、美嘉を時の海に落とした男を見つけた。 その男もクライム同様、親子をつけていた。 「美嘉ちゃん。ここで待っていてね。すぐに戻るから。」 「知らない人が来ても、ついていってはダメだぞ。」 「それぐらいわかってるよ!心配しないで。約束守る!」 子供の美嘉は、胸を張って自慢げに言った。 それに安心したのか、両親は手を振り人混みに消えていった。 「……むぅ。」 両親がいなくなった後の美嘉は、寂しそうにうつむいた。 「寂しくなんか…ないもん。」 それを見ていたクライムは、美嘉に近づいて行った。 .
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