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クライムが近づいて来ているのに気がついたのか、美嘉は警戒心丸だしで睨みつける。
「こんな所で何しているんだい?」
「あんたには関係ないよ…」
帰ってきた言葉は、子供とは思えない無愛想な言葉。
「子供の時から変わらないんですね、美嘉さんは…。」
「なんであたしの名前、知ってるの!?」
美嘉は、クライムを怪しい人として認識したのか、さらに威嚇するように睨んできた。
「美嘉さん…」
「な…何よ…」
「あなたの未来は、きっと素敵なものです。
だから、何があってもその未来を大切にしてください。」
「??何言ってるの?」
クライムはそう言うと、美嘉の前から姿を消した。
美嘉は、何が何だかわからず、その場に立ち尽くしていた。
美嘉と別れたクライムは、一直線にある場所に向かった。
そこからは、あの“厄”の気配が強く伝わってきている。
クライムがその場所にもうすぐ着こうとした時、争うような声が聞こえてきた。
「ぐあぁっ!!」
「あなた!?」
さらに近づくと、悲鳴に変わった。
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