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「いい…すごくいいよ…。その苦しみ、憎しみの目。
もっと俺をその心で満たしてくれ!」
「くそっ!この化け物め!」
「………」
「俺達は、美嘉を置いて逝くわけにはいかないんだ!」
「ふーん…。そうだ。
お前達が死んだら、その子供、どうなるかな?」
男は不適な笑みを零すと、自らの腕を尖った物に変えると、そのまま突きにいった。
美嘉の両親は、死を覚悟し、硬く目を閉じた。
しかし、一向に痛みは来ない。
おそるおそる目を開けると、そこには大きいコートをなびかせている青年が立っていた。
「大丈夫ですか?」
「は…はい。」
「よかった。あなた達は早く美嘉さんの所に戻ってあげてください。
淋しがっていますよ。」
「わかりました!」
両親達を逃がしたクライムは、目線を“厄”に向けた。
「なんだよ…てめぇは!俺の邪魔すんじゃねぇ!」
「そういう訳にもいかないんです。あなたを倒さないと終わらないんです!」
クライムは、ソードで受け止めていた腕を掃い、素早く懐に飛び込んでいった。
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