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しかし、男も素早く対応し、寸前のところでかわす。
「そうか、お前。書き換え師だな。」
「そうだとしたら…?」
「書き換え師の魂はうまいからなぁ。お前の魂を貰う!」
男が地を蹴ると、クライムに連打の嵐を仕掛けた。
それをクライムは、紙一重で受け止める。
しかし、男の力は相当なもので、クライムは押され気味だった。
「ほら!ほら!どうしたぁ?防御だけじゃ俺に勝てないぜ!」
「くっ…!」
クライムは、一度間合いを取ろうと下がろうとしたが、無常にも壁が立ちはだかった。
「なっ!?」
「これでお前も終わりだ!」
男がトドメをさそうと腕を振り上げる。
ザシュッ!!
地面に鮮明な赤い血が広がる。
しかし、それはクライムの血ではなく、“厄”に取り込まれた男の血だった。
「何故…どうして俺が血を流している!!?」
混乱した男は、クライムがいるはずの場所を見たが、そこにはクライムはいなかった。
「どこ行った!!」
「こっちですよ。」
声がした方に男が振り向くと、低い屋根の上にクライムがいた。
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