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「終わりだ…」
鎌を大きく振り被ると、そのまま男の体を切り裂いた。
「ぎゃあぁぁぁ!」
そして、男は地面に叩き付けられた。
しかし、切り裂いた筈の体は傷ついていない。
暫くすると、男の中から青白いものが出てきた。
「キサマっ!よくもオレのコンケツを!」
魂結とは、“厄”と人間の魂を繋ぐために必要な要素。
それを壊されれば、“厄”は人間を取り込めなくなるのだ。
そうなっては、“厄”は何も出来ない。
「消えろ…。もうすぐ時間なんでな。」
「ヤメロ…ヤメ…ギャアァァァ!!」
クライムは鎌で“厄”をなぎ払った。
消えていく“厄”を冷たい視線で見つめるクライム。
その瞳が、赤から青に変わった。
瞬間、クライムの体は地面に倒れた。
血液を失いすぎたのか、起きる気配はまったくなかった。
そして、暫くして空からシャチが降りてきた。
「たく…。気配が薄れたかと思えば、無理しやがって…」
シャチは器用にクライムを背中に乗せると、“時の海”への扉を開き、元の時間に帰っていった。
「なんで聖霊は“厄”と戦えねぇんだよ…」
と呟きながら…。
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