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背中を撫で続けるシャチだが、クライムの顔色は悪くなっていく一方だった。
「吐きたいなら吐いちまえ!」
おもいっきり首を左右に振るクライム。
それだけは絶対に嫌らしい。
シャチは考え、ふと美嘉に目がいった。
「おい、お前。部屋から出ろ。」
「な…なんで!」
「はぁ…。一階にこいつの薬が置いてある。それを持って来てくれ。」
「わかった!」
美嘉は急いで、一階に戻っていった。
行った後、シャチはまた溜め息を吐いた。
「これなら、いいだろ。」
クライムは何もしなかった。
体調が悪い時の、クライムなりの肯定の表わし方だった。
すぐにシャチは、ベッド脇の棚から袋を取り出し、クライムに渡した。
「たくっ…、世話が焼ける。」
そう言いながらも、シャチはずっとクライムの背中を撫で続けた。
その後、薬を見つけた美嘉が戻り、それを飲ませてなんとか落ち着いたクライムは、回復させる為に眠りに入った。
「ねぇ…シャチ。」
「ん?」
クライムを眠らせて一階のソファーに座ったシャチに、美嘉は尋ねた。
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