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クライムは立ち上がって、二階に行こうとした。
「どうしたの?」
「着替えてくるんです。これだと…ね…」
「あっ…」
いつもの大きいコートを羽織っているが、下はパジャマのままだった。
クライムは苦笑すると、二階に向かった。
「そろそろ開けてもいいだろうな。」
シャチは出入口に向かい、ドアを開けた。
そして、固まった。
「シャチ?」
「はぁ…仕事だ。」
そこにいたのは、内気っぽい高校生ぐらいの少年だった。
「まぁ、入れ。」
「あっ…はい……」
少年はシャチに怯えながらも、おずおずと入って来た。
「クライム!客だぞ。」
「わかりました。今、行きます。」
いつもの格好になったクライムが、二階から降りてきた。髪はほどいたままだが。
「ようこそ。あなたはどんな人生をお望みですか?」
「えっ…と…その…」
しどろもどろに慌てる少年。
そんな彼を見て、シャチはイライラしていた。
「喋るんならしっかり喋りやがれ!!」
「ヒイィィィ!」
ついに怒りが爆発したシャチに、少年は泣きながらクライムの後ろに隠れてしまった。
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