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クライムは苦笑して、隠れている少年の頭に手を乗せた。
「大丈夫ですよ。この人外見は恐く見えますが、それほど悪ではありませんから。」
「……どういう意味だぁ…クライム~」
「あはは。」
クライムとシャチのやり取りに、少年は笑っていた。
そんな姿を見て、クライム達も自然に笑い出していた。
「さぁ、緊張も解けたところで君の今までの人生を聞きましょうか。」
クライムは少年をソファーに座らせると、話しを聞き始めた。
「僕は那波勇助(ナナミユウスケ)って言います。もう僕、生きる意味が見出だせ無くて…」
「何故です?」
「僕、こんな性格だから小さい頃から虐められてて、しかも最近になって酷くなってきてて…」
勇助が抱える心の傷は大きかった。今にも泣きそうな顔だった。
「それに加えて、僕が関わった人全てが不幸になっているんです。事故に遇ったり、死んだりしていて…」
「………」
「もう僕、どうしたらいいのかわからなくて…」
勇助は手で顔を覆い、うつむいてしまった。
クライムは立ち上がり、勇助の肩に手を置いた。
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