第二話-存在理由-

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クライムは苦笑して、隠れている少年の頭に手を乗せた。 「大丈夫ですよ。この人外見は恐く見えますが、それほど悪ではありませんから。」 「……どういう意味だぁ…クライム~」 「あはは。」 クライムとシャチのやり取りに、少年は笑っていた。 そんな姿を見て、クライム達も自然に笑い出していた。 「さぁ、緊張も解けたところで君の今までの人生を聞きましょうか。」 クライムは少年をソファーに座らせると、話しを聞き始めた。 「僕は那波勇助(ナナミユウスケ)って言います。もう僕、生きる意味が見出だせ無くて…」 「何故です?」 「僕、こんな性格だから小さい頃から虐められてて、しかも最近になって酷くなってきてて…」 勇助が抱える心の傷は大きかった。今にも泣きそうな顔だった。 「それに加えて、僕が関わった人全てが不幸になっているんです。事故に遇ったり、死んだりしていて…」 「………」 「もう僕、どうしたらいいのかわからなくて…」 勇助は手で顔を覆い、うつむいてしまった。 クライムは立ち上がり、勇助の肩に手を置いた。 .
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