第二話-存在理由-

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決断に困っているクライムに、シャチはじれったさを感じ、そしてキレた。 「だぁぁ!!さっさと行くぞ、オラ!!」 「「うわっ!?」」 シャチは無理矢理二人を“時の海”に引きずり込み、過去に向かってしまった。 シャチの背中に乗っている二人。クライムは呆れたように溜め息を吐いた。 「シャチ…。今回も危険な書き換えだということ、わかってますか?」 「危険はいつもだろ。安全な書き換えなんて滅多にないだろ。」 「それはそうですが…」 クライムは険しい表情になった。相当美嘉を巻き込みたくないのだろう。 「そんなに書き換えって危険なの?」 「“厄”が現れれば、死ぬことだってあります。過去で死んだ場合、私達の体は消滅してしまいます。」 「……あはは…、書き換え師って本当に大変だな…」 笑っている美嘉だったが、その顔は引き吊っていて、冷汗も流れていた。 そんな時、クライムは懐からある物を取り出し、美嘉に渡した。 .
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