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「これは……」
「私が昔、使っていた十字架です。お守りがわりとして持っていてください。」
美嘉の手に渡されたのは、クライムのよりシンプルな十字架だった。
「それを持っていれば、何か遇った時必ず美嘉さんを守ってくれます。私に着いてくると言うなら、それを必ず持っていてください。」
「うん。」
「それの使い方を知れば、“時の海”を通らず冥界に行くことができます。何かあった時はエンマに相談するのもいいでしょう。後で使い方は教えます。」
美嘉はそれを見つめ、ぎゅっと握り締めた。
「もうすぐ着きます。準備していて下さい。」
そう言われて、美嘉は十字架をしまった。
そして次の瞬間、クライム達は光に包まれた。
-過去-
「さぁ、過去に着きました。」
「あまり今と変わらないね。」
「彼は高校生ですから。10年ぐらい前ですかね。」
二人は路地裏から大通りに出た。そこで美嘉はあることに気付いた。
「あれ…?シャチは行かないの?」
路地裏に立ったままのシャチに話し掛けた。
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