第二話-存在理由-

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「これは……」 「私が昔、使っていた十字架です。お守りがわりとして持っていてください。」 美嘉の手に渡されたのは、クライムのよりシンプルな十字架だった。 「それを持っていれば、何か遇った時必ず美嘉さんを守ってくれます。私に着いてくると言うなら、それを必ず持っていてください。」 「うん。」 「それの使い方を知れば、“時の海”を通らず冥界に行くことができます。何かあった時はエンマに相談するのもいいでしょう。後で使い方は教えます。」 美嘉はそれを見つめ、ぎゅっと握り締めた。 「もうすぐ着きます。準備していて下さい。」 そう言われて、美嘉は十字架をしまった。 そして次の瞬間、クライム達は光に包まれた。 -過去- 「さぁ、過去に着きました。」 「あまり今と変わらないね。」 「彼は高校生ですから。10年ぐらい前ですかね。」 二人は路地裏から大通りに出た。そこで美嘉はあることに気付いた。 「あれ…?シャチは行かないの?」 路地裏に立ったままのシャチに話し掛けた。 .
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